私の写真を送って、また二人でベンチに座って待つ。


と、思いきや、今度はすぐに返信があり、ポケットに入れたばかりの携帯電話を、南部君は慌てて取り出した。


その内容は……。






『今すぐ行くから駅で待ってろ!!』





との事で。


どうやら、私の写真が先輩をやる気にさせたようだ。


良かったと思う私の隣で、何だか浮かない様子の南部君。


「あれ?どうしたの?先輩が来てくれるって言ってるんでしょ?駅に行かなきゃ」


「え?ああ、うん。まさか先輩まで森川さんを気に入るとは……予想外だった」


相変わらず聞こえない独り言をブツブツ言うよね。


行くのか行かないのか分からない南部君を何とか立たせて、私達は駅へと向かって歩き出した。


南部君の先輩ってどんな人なのかな。


あのメールと、南部君から受ける印象は、何だか怖そうな人みたいだけど。


大丈夫かな。いきなり南部君が殴られるとかないよね?


先輩の事を話してくれないから、不安になるよ。


ドキドキしながら歩いた駅への道。


駅に到着して、無言で立っている隣にいると……。


正面にある大通りを、自転車で猛スピードで走って来る一人の高校生が目に入ったのだ。


あれがもしかして先輩?