変わり果てた彩乃の姿を見て、おかしくなってしまったおばさんに代わり、南部君が救急車を呼んで、大騒ぎになってしまった。


到着した消防署の人達は、彩乃の姿を見て、それが人だとは信じられなかったようで。


それでも、この状態でも奇跡的に生きていると、身体を崩さないように担架に乗せて救急車に乗せられた。


私達はと言うと……落ち着いて、話が出来るようになった後、一緒に呼んだ警察の人に色々聞かれて、解放されたのは正午を過ぎてから。


いつからこうだったとか、誰かに恨まれていなかったかとか……。


分からないからこうして家まで来たのに。


それに、誰に恨まれたらこんな酷い姿にさせられるのか。


少し考えれば不可能だと分かる事を、警察は本気できいてるのかな?


学校には連絡しておくから、今日は家に帰るようにと言われたけど……。


そんな気にもなれず、私と南部君は近くの公園のベンチに座っていた。


「森川さん、コーヒーでも飲む?」


「うん……一番甘いやつでお願い」


何をしていても、どこにいても、崩れた彩乃の顔を思い出してしまう。


夜中に掛かってきた電話は、私に助けを求めていたんだろうな。


でも、あんな姿になった彩乃を、私が助けられるはずがないよ。