そう決意して、二人で歩いた国道への道。


近くで見る国道は、車の通りが多く、幽霊に狙われているなら、死の危険性が高いと思える場所だ。


「やっぱり大丈夫なんじゃないかい?こんなに近付いても何も起こらないんだから」


国道の脇にある歩道。


そこにやって来た私達は、行き交う車を見ながら、何も起こりそうにない雰囲気に、少し安心していた。


「まだ分かりません。もしかするとあのトラックが突っ込んで来たりして」


「菜々、マイナス思考は良くないな。見てみな。こんなに真っ直ぐな道で、歩道に突っ込むなんて確率、相当低いと思うけど?」


私が指差している手を取り、正面の道をスーッとなぞる向井さん。


夕方にあんな事があったから、過敏になっているのかな?


この場所にいる事の恐怖も、まだ完全に無くなったわけじゃない。


まだ何も起こっていないだけ……。


これから何かが起こるという可能性が残っていると考えると、安心は出来ないのだ。


「菜々が見た夢では、この歩道橋を渡った向こう側で幽霊に突き飛ばされたんだろ?潤が一緒にいたって言ってたけど、今はいない。俺がいるって事は、その夢の通りではないって事さ」


夢と違う部分を挙げて、私を安心させようとしてくれている。