家を出て、歩いた記憶のない道を学校に向かって歩いた。


二人に連れて来られたから、覚えてなかったんだな。


「なるほどな……そのプリティベイベーを好きだった馬場が、木村さんを呪い殺したってわけか」


「え?いや、多分馬場君は幸村さんの呪いに巻き込まれて……大切な物を失うって、そこから来たと思うんですけど」


私の話し方がまずかったのかな。


向井さんには上手く伝わっていないみたいだ。


「俺は違うと思うな。だってさ、幸村さんは木村さんを恨むような事を言ってなかったわけでしょ?それなのに、幸村さんの呪いだなんて」


そう言われると……木村さんが死んだ所を、私は見たわけじゃないから分からないけれど。


それに、向井さんの疑問は私も感じていた事。


お父さんの話を鵜呑みにしていたから、そこは考えないようにしていた。


「向井さんはどう考えますか?馬場君の呪いだっていうからには、何か考えがあるんじゃないですか?」


「ふーむ……」


私が尋ねると、空を見上げて小さく呟いた。


色々と考えがあるんだろうけど、上手くまとまらない様子で。


一つ一つ、矛盾がないように言葉を繋げるように、向井さんが話し始めた。


私にも分かるように、簡単な言葉を選んで。