「その時は、俺が潤を助ける!!二回目をさせないようにもする!そのくらいの覚悟は俺にだってある!」
珍しく、向井さんが感情的になっているように見える。
私には、いつもおかしな話し方だったのに。
「そんなの、向井さんの時は誰が助けるんですか!?その場しのぎの方法で助かってもダメじゃないですか!」
「分かってる!だけど時間がないんだよ!!菜々が今日、家に帰る時に死ぬかもしれない!助ける為には、その場しのぎでも何でもやるしかないだろ!!理解してくれよ!!」
怒っているのかと思ったけど、そうじゃない。
凄く悲しそうな表情で、向井さんにとっても苦渋の決断だったのだろうという事が分かる。
私を助ける為とはいえ、兄弟みたいな関係の南部君を行かせるのは、向井さんにとってどれほど辛かったか。
そう考えると、それから私は何も言えなくなった。
今、私が言ったような事を、向井さんと南部君は言っていたんだ。
彩乃を助けようと、儀式に挑もうとした私に。
それを振り切って願いを叶えた私には、何も言えない。
その危険性を知った上で挑むというのならなおさら。
私に出来るのは、南部君がそうしてくれたように、二回目をさせない事くらいしか思い浮かばなかった。
珍しく、向井さんが感情的になっているように見える。
私には、いつもおかしな話し方だったのに。
「そんなの、向井さんの時は誰が助けるんですか!?その場しのぎの方法で助かってもダメじゃないですか!」
「分かってる!だけど時間がないんだよ!!菜々が今日、家に帰る時に死ぬかもしれない!助ける為には、その場しのぎでも何でもやるしかないだろ!!理解してくれよ!!」
怒っているのかと思ったけど、そうじゃない。
凄く悲しそうな表情で、向井さんにとっても苦渋の決断だったのだろうという事が分かる。
私を助ける為とはいえ、兄弟みたいな関係の南部君を行かせるのは、向井さんにとってどれほど辛かったか。
そう考えると、それから私は何も言えなくなった。
今、私が言ったような事を、向井さんと南部君は言っていたんだ。
彩乃を助けようと、儀式に挑もうとした私に。
それを振り切って願いを叶えた私には、何も言えない。
その危険性を知った上で挑むというのならなおさら。
私に出来るのは、南部君がそうしてくれたように、二回目をさせない事くらいしか思い浮かばなかった。