私の部屋の倍くらいの広さがある部屋で、うつむいて一点を見詰めている私を、二人が気遣ってくれる。


友達に酷い事を言われ、死を待っている私を。


私って可哀想でしょ?


……なんて思っているわけじゃないけど、こんな私を見たら、彩乃はそう言うかもしれないな。


「森川さん、落ち着くまで俺達が付いてるから、大丈夫だよ」


「潤は頼りなくても、俺がいるからね。子猫ちゃんを危険な目に遭わせたりはしないさ」


何を言われても、私の心は晴れる事がなくて。


死の恐怖に打ち勝つには、どうすれば良いんだろうと、出るはずのない答えを考えていた。


どれだけ励ましても効果がないと思ったのか、二人の溜め息が聞こえる。


ごめんね……私なんかの為に頑張ってくれているのは分かっているけど、死ぬ事が怖くてたまらない。


南部君に抱き締められて眠った時よりも、不安で心臓の動きが激しい。


何だかソワソワしていて、大声を出したい衝動にかられるけど……死があまりにも大きくて、声が出ない。


喋る事が出来なくなってしまったんじゃないかと、「あ……」と、小さく声を出してみなきゃいけないほどに。


そんな状態で、二人と話をする事も出来ずに、恐怖にさいなまれていた私は、眠気に襲われた。