不思議がる彩乃に、三人がかりで何があったかを説明していた。


薄々気付いていたみたいで、理解出来ない事はないようで、すんなりと話を伝える事が出来た。


「そう……だったんだ。私がそんなおかしな事になったから、菜々と南部君が……」


元に戻ったっていうのに、悲しげな表情を浮かべて俯いた彩乃。


「俺も頑張ったんだけどな。二人だけじゃ、何も出来なかったと思うぞ?」


確かに向井さんの言う通りなんだけど、何もそこまでアピールしなくても。


「……ちょっと、菜々と二人で話したいから、南部君と向井さんはロビーで待っててくれない?」


「おいおい、この俺に聞かせられない話なのかい?プリティベイベー達の華やかな話に、俺は……」


「良いから!!早く出てって!!」


女の子にこんな扱いを受けた事はないのだろう。


いつもの笑顔が引きつって、悔しそうに南部君の肩を叩いて、病室から出て行った。


私と二人でって、何を話すつもりだろう。


二人がエレベーターに乗り込むのを確認してから病室に戻り、彩乃にそれを報告した。


「エレベーターに乗ったよ。何か秘密の話でもあるの?私と二人で話って?」


ベッドの横に置かれていた椅子に腰を下ろして、不機嫌そうな彩乃に尋ねた。