私達の姿を見て、向井さんが長椅子から立ち上がった。
「遅かったね。二日も会えなかったから、少しでも早く菜々に会いたかったんだけどな」
私に歩み寄りながら、いつものように恥ずかしいセリフを口に出す。
「いやいや、何でここにいるんですか。言ってないのにいるなんて」
「考えなくても分かるだろ。金曜にここに来た時は彩乃ちゃんに会えなかった。二日間、菜々が寝込んでたとなると、今日は来るってな」
南部君の質問に、当然だと言わんばかりに答えた向井さん。
私なら、病院じゃなくて南部君の家で待ってそうだな。
「二人が遅いから、俺がきいておいてやったぞ。彩乃ちゃんは昨日、新館の五階に移ったみたいだ。面会は出来る」
その言葉に、私は嬉しくなった。
と同時に、微かな不安が生まれた。
会えるのは嬉しい。
だけど、彩乃が本当に元に戻っているのかどうか。
そして、あの夢の事もある。
彩乃にあって、お互い素直に喜べたら良いんだけど。
「森川さん?何してるの、早く行こうよ」
その場で立ち止まっていた私に、南部君が声を掛けた。
「ああ……うん。ごめんごめん」
きっと大丈夫。
ここは彩乃の部屋じゃないし、あれが正夢であるはずがないか。
「遅かったね。二日も会えなかったから、少しでも早く菜々に会いたかったんだけどな」
私に歩み寄りながら、いつものように恥ずかしいセリフを口に出す。
「いやいや、何でここにいるんですか。言ってないのにいるなんて」
「考えなくても分かるだろ。金曜にここに来た時は彩乃ちゃんに会えなかった。二日間、菜々が寝込んでたとなると、今日は来るってな」
南部君の質問に、当然だと言わんばかりに答えた向井さん。
私なら、病院じゃなくて南部君の家で待ってそうだな。
「二人が遅いから、俺がきいておいてやったぞ。彩乃ちゃんは昨日、新館の五階に移ったみたいだ。面会は出来る」
その言葉に、私は嬉しくなった。
と同時に、微かな不安が生まれた。
会えるのは嬉しい。
だけど、彩乃が本当に元に戻っているのかどうか。
そして、あの夢の事もある。
彩乃にあって、お互い素直に喜べたら良いんだけど。
「森川さん?何してるの、早く行こうよ」
その場で立ち止まっていた私に、南部君が声を掛けた。
「ああ……うん。ごめんごめん」
きっと大丈夫。
ここは彩乃の部屋じゃないし、あれが正夢であるはずがないか。