一限目、二限目の休み時間と、南部君は忙しそうに先生の手伝いをして、話なんて全く出来なかった。
時間が経ち、給食を食べ終わった直後に、少しだけ話をする事が出来たのだ。
「まったく。先生達、人使いが荒いよな。次の時間の準備も出来ないよ」
「日直は大変だよね。昼休みも、少ししか自由がないしさ」
儀式の事で悩んでいる時なら、話が出来ない事をもどかしく思っていただろうけど、今はそうでもない。
私が見た夢、私が死ぬ場面を相談するだけで良いから。
「それで、森川さんが失った大切な物って何だったの?」
南部君もその事が気になるようだ。
「多分……まだ失ってないんだと思う。私ね、変な夢を見たんだ」
国道の脇にある歩道で、笑う幽霊が私を道路に突き飛ばす。
起き上がろうとして、車に轢かれてしまった夢。
思い出せる限り思い出して、その内容を南部君に伝えると、困ったような表情に変わり、「うーん」 と唸り出した。
腕組みをして、何かを考えているような素振り。
「つまり、先輩の先輩みたいに、自分の命が大切な物って事か。だけどそれだったら、失敗した人が死んでないのはおかしくない?だってさ、自分の命なんて皆大切じゃない?」
確かにそうなんだけど。
時間が経ち、給食を食べ終わった直後に、少しだけ話をする事が出来たのだ。
「まったく。先生達、人使いが荒いよな。次の時間の準備も出来ないよ」
「日直は大変だよね。昼休みも、少ししか自由がないしさ」
儀式の事で悩んでいる時なら、話が出来ない事をもどかしく思っていただろうけど、今はそうでもない。
私が見た夢、私が死ぬ場面を相談するだけで良いから。
「それで、森川さんが失った大切な物って何だったの?」
南部君もその事が気になるようだ。
「多分……まだ失ってないんだと思う。私ね、変な夢を見たんだ」
国道の脇にある歩道で、笑う幽霊が私を道路に突き飛ばす。
起き上がろうとして、車に轢かれてしまった夢。
思い出せる限り思い出して、その内容を南部君に伝えると、困ったような表情に変わり、「うーん」 と唸り出した。
腕組みをして、何かを考えているような素振り。
「つまり、先輩の先輩みたいに、自分の命が大切な物って事か。だけどそれだったら、失敗した人が死んでないのはおかしくない?だってさ、自分の命なんて皆大切じゃない?」
確かにそうなんだけど。