ベッドから起き上がり、学校に行く準備を整えていても、夢の事ばかりを考えてしまう。


大丈夫、私の家から学校の間に国道はない。


病院だって国道までは行かないから。


問題は南部君の家なんだよね。


南部君の家に行くには、国道を渡らなければならないから。


だけど、儀式に失敗した私が暴れる事もないだろうし、大丈夫かな?


行かなければ良いだけの話だし。


夢の光景を否定するように、何とか理由を考えて、荷物を持って部屋を出た。


顔を洗って歯を磨いて、朝御飯を食べたら登校。


悲しい事件があった学校に行くのは、正直気が重い。


土曜日までは知らなかったから、普通に過ごせていたけど、考えてみると少し怖い。


どこにいても笑う幽霊に見られているようで、いつ、私の大切な物を奪って行くのかと不安になってしまう。


どんよりと曇っている私の心とは違い、空はスカッと晴れ渡っている。


寒くて、いつ雪が降ってもおかしくないくらい冷たい空気。


ハーッと手に息を吐いて、擦り合わせながら学校に向かった。


まだ風邪が治りきっていないからか、身体がふわふわするなあ。


何も起こらなければ良いんだけど……と思いながら、南部君に会える事を楽しみに学校へと向かった。