病気の時は良く眠れる。


朝になるまでに、いくつか夢を見たけれど……その中で一つ、私は悪夢を見た。


国道の歩道。


歩道橋を下りた所で幸村さんが……いや、あの笑う幽霊が前から走って来て、私を道路に突き飛ばしたのだ。


予想外の行動に私はどうする事も出来ずに、派手に尻餅をついて。


起き上がろうとしたけど、それよりも早く、眩しいライトとクラクションの音が迫って……。


ドンッという激しい音と衝撃が、私の身体を襲った。


何がどうなったんだろう。


ゴロゴロと転がり、身体中に痛みが走って……動けなくなった。


一緒にいたのかな。


南部君が泣きながら駆け寄って、私の前で叫んでいる。


そんな夢。


悲しかったけど、南部君に申し訳ないという気持ちが強くて。


幸村さんが死んだ時、どうして馬場君に謝ったのかが分かった気がした。


……好きになっちゃったんだね。













そう思いながら目を覚ました私は、涙を流している事に気付いた。


朝になって明るい部屋。


いつも見ている天井が、やけにクリアに見える。


もしかしてあの夢は、これから私に起こる事を予知しているのかな?


だとしたら……私は国道で車に轢かれて死んでしまうの?