しばらくして、私は暗闇に包まれた。


まるで、儀式をしていたかのような、ハッキリとした感覚だったな。


そして、今、目を開けているのも分かる。


私は起きていて、暗い部屋の中で横になっているのだと。


夢と現実の境が曖昧なまま目を覚ますと、不思議な気分に陥る。


あの夢は、本当に夢だったのか、今はまだ夢の続きなのかという、奇妙な感覚。


身体が熱い。


この熱のせいで、頭がボーッとしているんだろうなと考えて、私は枕元の携帯電話を手に取った。


部屋の中が真っ暗だなんて、一体どれだけ眠っていたんだろう。


そんな事を考えて、携帯電話の画面を見た私は、その奇妙な一致に驚いた。


「19時19分……嘘でしょ?」


今の夢を、何時に見たのかは分からないけど、この時間だからあんな夢を?


偶然の一致だと自分に言い聞かせながら、表示されているメールのアイコンに視線を向ける。


眠っている間にメールがあったんだ。


南部君に違いないと思ってメールを開くと……やっぱり南部君だ。


『もう元気になったかな?早く元気な姿を見せてね』


ああ……そう言えば、熱が出てるのを言ってないような気がする。


返事をしようと思ったけど、あまりに頭がボーッとしている。