さあさあ、幸村さんの答えはどうなの?


何だか、見てはいけない物を見ているような気がするけど、これは私の夢なんだから仕方ないよね。


お父さんの話を聞いて、こんな夢を見ているんだろうけど、馬場君なんて本当にいたのかは分からない。


私の勝手な想像なのかもしれないから。


「あ、あの……馬場君は他に友達がいるでしょ?だったら……」


真っ赤な顔を見られないように、うつむいたまま恥ずかしそうに呟いた。











……な、何で私がドキドキしてるんだろ。


人が少なくなった校舎で、まるでデートに誘っているかのような状況。


幸村さんは嫌じゃないんだよね?


一緒に回ろうと言ってくれる友達なんていなくて、初めてそんな事を言われたから、どうして良いか分からずに戸惑っているんだ。


「い、いや、良いんだ。一緒に回ってくれなくても。でも、一緒に作ったこれだけは、幸村さんと一緒に見たいかなと思ったんだ」


あー……諦めちゃったよ、馬場君。


もうひと押しすれば、行けたかもしれないのに。


どうしてそこで引いちゃうかなあ。


幸村さんも幸村さんだよ、嬉しいなら素直になれば良いのに。


二人を見ていると、私と南部君の行為は相当汚れているように感じる。