「それで?学校祭は先輩にべったりだったんじゃないの?ストーカーみたいに」


これまでの話を聞いていると、どうもそんな気がしてしまう。


でも……お父さんの言葉は違った。











「学校祭はね、その年は結局行われなかったんだ」











「えっ?」


学校祭って、かなり重要な行事なのに。


それが行われなかった年があったなんて。


「準備期間中、先輩が任されたクラスの展示物。そんなに大変ではなかったんだけど、さっき話した女子のグループが嫌がらせをしてね。毎日、先輩が製作したものを壊していたんだ」


何それ……そんな事をされたんだ。


だから、展示物が出来なくて中止に?


そんなわけないよね。


たったひとクラスの展示物が出来なかったくらいで、学校祭は中止にはならない。


そうなってしまえば、全校生徒を敵に回してしまうから。


「先輩の作業量は、二日もあれば簡単に終わるものだったようだけど、毎日いやがらせを受けて、先輩は毎日遅くまで残って頑張ったんだ。そして最終日に……死んだ」


お父さんがそう言った後、私の心臓がドクンと音を立てた。


その先輩は心臓発作で死んだ。


不思議と、その時の光景が容易に想像する事が出来た。