「ぷはっ!!はぁっ……はぁっ……」














あまりの息苦しさに目を覚ました私は、天井を見上げたまま、荒くなった呼吸を整えていた。


昔から、風邪をひいた時には悪夢を良く見たけど……この夢はあんまりだ。


だけど、夢で本当に良かった。


あんな事を彩乃に言われて、また身体が溶け出したら、私はどうすれば良いか分からないから。


「うわぁ……汗でびっしょり」


顔から足の先まで、信じられないくらい濡れていて、夢の中の彩乃を思い出してしまう。


まるでおねしょでもしたのかと思うくらいの濡れ方。


あー、気持ち悪いな。


ドロドロの彩乃もそうだけど、濡れた布団の中にいる事も。


眠る前よりもハッキリとしている頭。


布団を捲り、ベッドから足を下ろしてゆっくりと立ち上がると、少しはフラフラするものの、歩けない程じゃない。


パジャマを着替えたいし、汗も流したい。


このままじゃ寝る事も出来ないから、せめてバスタオルでも敷きたい。


ベッドの事はお母さんに任せるとして、私はパジャマと下着を持ってお風呂場に向かった。


廊下に出ると、冷えた空気が濡れた私を襲う。


ガタガタと震えながら、一階に向かって階段を下りた。