もう何も言わないで!


夢なら早く覚めて!


いくらそう願っても、私の思い通りにはならない。










「じゃあ……南部君と別れなよ。私が大切な友達だって言うなら、それくらい出来るよね?」











それは……。


彩乃を元に戻す為に、一緒に儀式の事を調べて、私を不安にさせない為に一晩中抱き締めていてくれた南部君。


私の事を好きでいてくれて、私も好きになった。


それなのに、どうして彩乃はそんな事を言うの?


私に彼氏が出来た事まで恨みに思ってるの?


そこまで言うと、ただの逆恨みだよ。


「私達は……友達でしょ!?だったらそんな事を言わないでよ!」












「あんたなんか友達じゃない」












冷たく言い放たれた言葉に、再び私の目から涙が溢れた。


夢だと分かっているのに、彩乃にそんな事を言われたのがショックで。


それでも彩乃は止めない。


「私は不幸で、あんただけが幸せになるなんて不公平じゃない!私の事を友達だって思ってるんでしょ!?だったら出来るよね?彼氏より、友達を取れるよね!?」


「もう……やめてよ!彩乃、あんた……」


我慢が出来なくなった私は、涙を流しながら顔を上げた。