「菜々ちゃん起きてるの?具合はどう?」


南部君にメールを送った、その余韻に浸っていると、お母さんがドアを開けて部屋に入って来た。


と、なると、今は6時くらいかな?


「頭が痛くてフラフラする。天井が回ってる」


「昨日の夜、39.4℃もあったのよ?当たり前よ」


ベッドサイドに近付いて、呆れたように私の顔を見下ろす。


やっぱり熱があったんだ……フラフラするはずだよ。


「それにしても、あなたはなんてドジなの?トラックに水を掛けられて気絶しちゃうなんて。お友達と、勉強を教えてくれてる人?あの二人がいたから良かったけど」


何その説明。


まあ、学校に行っていたとは言えないし、その嘘に乗っかるしかないよね。


「だって、いきなりザバーッて水が掛かったんだもん……その後は覚えてないけど」


話している途中で、お母さんの手が私の額に当たる。


ひんやりと冷たい……というより、私が熱いのかな。


「まだ熱があるわね。今日は寝てなさい。土曜日で良かったわ」


せっかくの休みなのに、今日はずっと寝ている事しか出来そうにないよ。


南部君に会いたいのに出られそうにないし、お母さんもお父さんもいるから、家に呼ぶ事も出来ない。


ちょっとガッカリだ。