次の日、朝早くに目を覚ました私は、起き上がる事も出来ずに、グルグルと回る天井を見ていた。


「あー、やっぱり風邪ひいたのか。頭がフラフラする……」


多分熱もあるんだろうけど、額に手を当てても良く分からない。


手も熱いんだろうなと思いながら、布団から出した手で携帯電話を取った。


確認してみると、昨日の19時21分に南部君から着信。


トイレに行ったはずの私がいなくて、慌てて電話をしたのだろう。


その姿が容易に想像出来る。


そして、届いたメールを見てみると……南部君から二通。


『まさか、学校にいるの!?』


19時23分。


この時、私はどの辺りを歩いていただろう?


儀式の最中なら、携帯電話が鳴れば気付くはずなのに。


そして二通目は21時45分。









『菜々が何を失っても、俺はずっと菜々が好きだから。早く元気になってね』










私を家に送った後に、このメールを送るかどうか、凄く悩んだんだろうな。


メールでだけど、初めて私を名前で呼んでくれた。


頭がフラフラしているからか、それを素直に嬉しいと思うし、今が何時かという事も考えずに返信した。


「元気になったら、いっぱい抱き締めてね。大好きだよ、潤」