「フーッ!フーッ!」と、荒い息遣いがまた聞こえ始めた。



幽霊が戻って来たのは、激しい悪寒で気付いた。


質問されないように話し続けなければならないなら、ききたい事はいくつかある。


「ね、ねぇ……私はさっき走ったけど、走っても大丈夫なの?」












「ハシルノハ ダメ。デモ ハシッタトコロヲ ミテイナイカラ……」











そ、そうなんだ。


笑う幽霊が怖くて私から離れていたから、その間は何をしても大丈夫って事?


助かったと思うべきか、無効になってほしかったとガッカリすべきか。


それでも、失敗にならなかっただけでも良しとしないと。


「じゃあもう一つ。あの幽霊は何なの?他の幽霊も怖がっているみたいだけど」


前回は、笑う幽霊が衝撃的過ぎて、質問する事も出来なかった。












「アレハ……モットモフルイユウレイ……」












……私が知りたいのは、だから何なのかという事なんだけど、間もなく一階に到着する。


生徒玄関まで30メートル程だし、話を聞く為に長居はしたくない。


そして、願い事も決まった。


もうこんな儀式はしたくないから、「今後、二度と私に儀式をさせようとしないで」だ。