踊り場を抜け、二階に向かって歩き出した私は、一つの事を考えていた。


笑う幽霊はいるのかどうか……。


一回目は二階にいた。


今回はどうなんだろう。


冷たい空気が私の肌に突き刺さり、足を一歩踏み出すたびに、切り裂かれてしまいそう。


恐怖で喉が渇く……。


はぁはぁと荒い呼吸が、ますます喉を渇かせるという悪循環。


こんな時に質問されそうになったら、上手く割って入れるかどうか……。


それも含め、微かな物音も聞き逃すまいと、耳に意識が集中する。


でも、不思議と背後の幽霊は話し掛けてこない。


それどころか、吐息も聞こえないのだ。


そして、二階に到着した時だった。


遠くの方で、ガラガラガラ……と、教室のドアが開く音が聞こえた。


そして……。
















「あはははっ!!待ってよ待って!!私も行く!!」













キュッキュッと、足音を立ててこちらに向かって来ている。


こ、こんな所で!?


二階に到着したばかりで、隠れる場所なんてどこにもないのに!


前回のように、あの幽霊から見えない場所に隠れないといけないのに!


……だけど、どこに!?


こんな所で迷ってる暇なんて、私にはなかった。