「ユウレイハ イロンナトコロニ イル……トコロデアナタハ……」










「い、色んな所にいるの?なんか怖いな」


私の質問に答えた後に、すぐに質問してくるなんて。


話を聞いてるだけだと、知らない間に質問されているかもしれないから注意しないと。


階段を下り始めてすぐに、背後の幽霊の言葉が分かった。


幽霊は色んな所にいる……。


前回も、階段の壁がゴムみたいに伸びて、人が悶えているような形になったけど……今回もだ。


壁や階段がグニグニと動き始め、苦しそうな表情の顔が浮かび上がったのだ。


ここからが本番。


そう言わんばかりにうごめく階段。


「な、何これ……」


地獄で亡者が動いている。


率直な感想はそれだった。


校舎の形が変わってしまうんじゃないかという程の変化に戸惑いながらも、私はゆっくりとそこを下りた。


足元に誰かいるんじゃないかと思うような、柔らかい感覚。


「ひゃっ!!」


小さく悲鳴を上げながらも、恐る恐る階段を下りる。


こんな不安定な足場で一階まで下りなきゃならないのかと思うと、不安でたまらない。


質問させないように話し掛けなければならないし、こんな状態でそれが出来るかどうか。