幽霊に怯え、身体中の皮膚が突っ張る感覚の中、私はやっと階段に辿り着いてひと安心。


相変わらず、話をしていない時は「フーッ!フーッ!」と荒い吐息を首筋に吹き掛けて。













「アナタハ……」











そう囁かれた瞬間、私はまずいと感じ、慌てて口を開いた。


「あー!今日は凄い雨だね!ここに来るまでにずぶ濡れになっちゃった!」


危ない危ない……質問されたらアウトだから、何が何でも話を遮らないと。













「コンナヒハ ユウレイガアバレル……」











幽霊が……暴れる?


それってもしかして、笑う幽霊と何か関係があったりするの?


そう考えると……この階段を下りるのが怖いよ。


走るとダメなんだから、二階から突然あの幽霊が現れたら、私は逃げられない。


「そう言えば……きょ、今日は一人なの?前はいっぱい幽霊が付いて来ていたけど」


一人なら一人で良いんだけど、一回目とは違う状況が不思議だったから。


気にするような事じゃないのかもしれないけれど、どうも嫌な予感がしていた。


失敗するとは思いたくないけど、何かとんでもない事が起こりそうな気がして。


そう聞かずにはいられなかったのだ。