「菜々の友達の彩乃ちゃんな、改めて考えてみたら、あれは多分大丈夫だな。願い事が叶って、元に戻ったと思う」
タオルを首に掛け、真面目な表情で向井さんが、私達の顔を見て言った。
私を安心させようとしているのか、それとも本当にそう思っているのかは分からない。
「どうしてそう思うんです?」
私は「安定してる」って聞いたから、元に戻ったのかな?と思ったけど、向井さんはその言葉を直接聞いたわけじゃないのに。
「簡単な話さ。あの病院は大きいけど、人がドロドロになるなんて症例、対応出来るとは思えない。せいぜい検査して、感染するかどうかを調べるくらいしか出来ないんじゃないかな。それなのに、ずっとあの病院にいるという事は……」
病院のシステムの話は私には分からない。
だけど、向井さんの言葉はなるほどと納得出来るもので、何も知らない私でも理解した。
「元に戻ったって事ですね。良かった」
向井さんにそう言ってもらって、やっと安心する事が出来た。
「でも、そうなると本当に、山中さんの大切な物って何だったんだろう」
南部君はその事が気になっているようだけど、そればかりは私にも分からない。
元に戻ったというなら、話の一つも聞けるかなと思ったんだけど。
タオルを首に掛け、真面目な表情で向井さんが、私達の顔を見て言った。
私を安心させようとしているのか、それとも本当にそう思っているのかは分からない。
「どうしてそう思うんです?」
私は「安定してる」って聞いたから、元に戻ったのかな?と思ったけど、向井さんはその言葉を直接聞いたわけじゃないのに。
「簡単な話さ。あの病院は大きいけど、人がドロドロになるなんて症例、対応出来るとは思えない。せいぜい検査して、感染するかどうかを調べるくらいしか出来ないんじゃないかな。それなのに、ずっとあの病院にいるという事は……」
病院のシステムの話は私には分からない。
だけど、向井さんの言葉はなるほどと納得出来るもので、何も知らない私でも理解した。
「元に戻ったって事ですね。良かった」
向井さんにそう言ってもらって、やっと安心する事が出来た。
「でも、そうなると本当に、山中さんの大切な物って何だったんだろう」
南部君はその事が気になっているようだけど、そればかりは私にも分からない。
元に戻ったというなら、話の一つも聞けるかなと思ったんだけど。