弘志さんが失敗した理由は何か、それを聞きたかったんだけどな。
幽霊に質問されてしまったのか、幽霊の姿を見てしまったのか、それとも笑う幽霊に捕まってしまったのか……。
それが分かれば、さらに対策が立てられるのに。
「いくら俺でも、幽霊は口説けないからなあ。俺の魅力が通じるなら、すぐにでも離れてくれって説得するんだけど」
フッと鼻で笑い、前髪を掻き上げる向井さん。
自分に絶対の自信を持ってるのは良いとして、それを口に出しさえしなければなあ。
それだけだったらまだ良いんだけど、この自転車……。
向井さんの名前じゃなくて、「和田延夫」って書いてあるよ。
また勝手に自転車を拝借して来たんだろうな。
初めて会った時と同じ自転車だし、この人は自転車がなくても大丈夫なのかな。
向井さんの話を聞きながら、南部君に付いて歩いて、到着した病院。
昨日はまだ集中治療室だったけど、今日はどうかな?
私の願いが叶って、元に戻ったのなら、一般病棟に移動している可能性は十分にある。
「……ここにいるのか?菜々の友達は。元に戻ってるはずなのに、まだ会えないって?」
南部君がメールでも送っていたのか、私が言わなくても情報の共有がされているみたいだ。
幽霊に質問されてしまったのか、幽霊の姿を見てしまったのか、それとも笑う幽霊に捕まってしまったのか……。
それが分かれば、さらに対策が立てられるのに。
「いくら俺でも、幽霊は口説けないからなあ。俺の魅力が通じるなら、すぐにでも離れてくれって説得するんだけど」
フッと鼻で笑い、前髪を掻き上げる向井さん。
自分に絶対の自信を持ってるのは良いとして、それを口に出しさえしなければなあ。
それだけだったらまだ良いんだけど、この自転車……。
向井さんの名前じゃなくて、「和田延夫」って書いてあるよ。
また勝手に自転車を拝借して来たんだろうな。
初めて会った時と同じ自転車だし、この人は自転車がなくても大丈夫なのかな。
向井さんの話を聞きながら、南部君に付いて歩いて、到着した病院。
昨日はまだ集中治療室だったけど、今日はどうかな?
私の願いが叶って、元に戻ったのなら、一般病棟に移動している可能性は十分にある。
「……ここにいるのか?菜々の友達は。元に戻ってるはずなのに、まだ会えないって?」
南部君がメールでも送っていたのか、私が言わなくても情報の共有がされているみたいだ。