生徒玄関まで歩いた後、教室に戻って、儀式の時の動きをさらに考えた。
チャイムが鳴り、ホームルームが始まっても、南部君は来なくて。
一限目の授業が終わる頃に、慌てた様子で教室に入って来て、先生に怒られていた。
その頃には、私の気持ちも完全に儀式に傾いていて、そんな事はどうでも良かった。
考えている事の9割は、儀式の事。
一限目が終わって、南部君が背中をつつく。
「いやあ、あの後寝ちゃってさ。起きたら8時半だったからびっくりしたよ」
ハハッと、短く笑ってそう言った南部君に、私も笑い掛けた。
「そうなんだ。あ、そうそう。向井さんの友達の弘志さんなんだけど、今日会いに行ってみない?」
突然の私の提案に、首を傾げて訝しげな表情を浮かべる。
「え?別に良いけど。どうして弘志さん?」
幽霊を見ていない南部君には分からない話だろう。
私だって儀式をするまでは、あの言葉の意味が分からなかったから、そう尋ねる気持ちは良く分かる。
だけど、知ってしまった今なら、弘志さんが何を言っているかを理解出来るかもしれないから。
今後、私が幽霊に悩まされなくなるかもしれない。
それを南部君に話して、放課後に弘志さんの家を訪ねる必要性を説いた。
チャイムが鳴り、ホームルームが始まっても、南部君は来なくて。
一限目の授業が終わる頃に、慌てた様子で教室に入って来て、先生に怒られていた。
その頃には、私の気持ちも完全に儀式に傾いていて、そんな事はどうでも良かった。
考えている事の9割は、儀式の事。
一限目が終わって、南部君が背中をつつく。
「いやあ、あの後寝ちゃってさ。起きたら8時半だったからびっくりしたよ」
ハハッと、短く笑ってそう言った南部君に、私も笑い掛けた。
「そうなんだ。あ、そうそう。向井さんの友達の弘志さんなんだけど、今日会いに行ってみない?」
突然の私の提案に、首を傾げて訝しげな表情を浮かべる。
「え?別に良いけど。どうして弘志さん?」
幽霊を見ていない南部君には分からない話だろう。
私だって儀式をするまでは、あの言葉の意味が分からなかったから、そう尋ねる気持ちは良く分かる。
だけど、知ってしまった今なら、弘志さんが何を言っているかを理解出来るかもしれないから。
今後、私が幽霊に悩まされなくなるかもしれない。
それを南部君に話して、放課後に弘志さんの家を訪ねる必要性を説いた。