そんな事を考えながら、いつも起きる時間まで布団の中でまどろんで。


アラームが鳴り、後ろ髪を引かれる思いで、制服に着替えようと起き上がった。


「はぁ……もう学校に行く時間か」


もっとのんびりしていたいんだけどな。


また、おまじないの事を考えて、頭に入らない授業を受けて、南部君と向井さんに見張られて、夜になったら幽霊が現れる。


幽霊か……もしかして、向井さんの友達の弘志さんは、この事を言っていたのかな?


「幽霊は……にいる」


その言葉が妙に気になって仕方がない。


私と同じように、夜になると幽霊に襲われているのかな。


そう考えると、それを確かめに行ってみるのも良いかもしれない。


おまじないに失敗してしまった人達が、ずっと幽霊に苦しめられているのかどうかを。


彩乃はあんな姿になったから、もしかすると幽霊が見えなかったのかもしれない。


「何にしても学校だよね。弘志さんの所に行って、彩乃のお見舞いに行って……かあ」


学校が終わってから、やる事が沢山あるな。


19時19分にはおまじないをする為に学校に戻らなきゃならないし。


今日も一緒にいるはずの二人から、どうやって逃げるかという事を考えながら、私は学校に行く準備を整えた。