ピピピピピピピッ!
いつの間にか眠っていた私は、そのアラームの音で目を覚ました。
もう5時になってしまったのか、慌てて飛び起きて携帯電話を取ろうと枕元に手を伸ばした。
あれ?
携帯電話が……ない。
だけどアラーム音は聞こえていて。
「早く……止めないと」
部屋の中が暗くて分からないけど、私を抱いていてくれた南部君が背中を向けている。
携帯電話がベッドから落ちたのかなと、ベッドの端に身体を移動させ、手を伸ばして確認してみる。
……だけど、どこにもその手応えはなくて。
充電器に繋がっているはずだから、コードに手が触れるはずなのに。
「あれ?どこに行ったの?お母さんに気付かれる前に止めなきゃいけないのに……」
でも、いくら探しても、私の手は床を撫でるだけで、携帯電話どころかコードに触れる事も出来なかった。
しぶしぶベッドから降りて、床を見てみるけど……どこにも見当たらない。
音を頼りに探そうとしても……どこから音が聞こえているかが分からないのだ。
すぐ近くにあるようにも聞こえるし、遠くから聞こえているような気もする。
それでも、かろうじて音が聞こえる方向は分かる。