「ひっ!!」








テレビの中でも私に背を向けて、どこかを指差している幽霊の姿に恐怖して、リモコンで電源を切ろうとするけど……映像が消えない!


何度も押してもダメで、涙が出そうになる。


「どうして……消えないの!?」


諦めてリモコンをソファに叩き付けて、ここから逃げようと立ち上がった時。


私は思い出した。












ウ……シロニ……イル?










ウシロニイル……後ろにいる?












気付いてしまったその言葉に、私はゆっくりと振り返った。


引き裂かれるような冷気を頬に感じるけど、それでも確認しないといられない。


まるで、氷の刃物が突き付けられているよう。


振り返った私の目に映ったのは……。











夢で最後に見た、あの幽霊だった。


ギョロッと見開いた目で私の動きを追って、口元はニタリと笑っている。


制服を着ていて……いつも見る、背中を向ける幽霊に似ている。


その指は壁の方を指差していて……恐怖が最高潮に達した時、私は声も上げられずに駆け出した。


リビングを飛び出し、涙を流して廊下を走り、玄関に。


どこにいても幽霊に襲われるなんて、もう嫌だ!