それでも、お母さんと一緒にテレビを見て時間を潰していると……。


「ふわあああ、何だか終わり方がイマイチだったわね。菜々ちゃん、戸締まりしておいてね。お父さんは夜勤だから」


ソファから立ち上がり、大きなあくびをした後に、お母さんがそう言ってリビングから出て行った。


……チャンス!


私が戸締まりをするなら、こっそりどころか堂々と家に招き入れる事が出来る。


誰もいなくなったリビングで、連絡を待っていると……。


「で……から……」


テレビから出る音が、ブロックノイズと共に、途切れ始めたのだ。


「あれ?電波障害?……なわけないよね」


お母さんがいる時には起こらなかったのに、私だけになった途端発生したという事は……。


ここにも幽霊が現れるの?


「嘘でしょ……どこにいるのよ」


ソファの上で身をすくませて、どうして南部君が来るまで待ってくれなかったのかと、恐怖しながら身構えた。


さっきよりも酷くなるブロックノイズ。


もう、元の画像が何だったのかも分からないくらいにモザイクまみれになって。












「ウ……シロニ……イル」










音声が繋がり、一つの言葉になった瞬間、画面にあの幽霊が映し出されたのだ。