手を繋ぐなんていつ以来だろう。


少し照れ臭いけど、悪い気はしない。


特に、こうして怖がっている時だと安心する。


一段一段踏み締めて、いよいよ踊り場、鏡の前。


身構えたのが手から伝わったのか、京介がギュッと握ってくれて……大丈夫だとわかっていても恐怖していた私の心を、優しく包んでくれるよう。


「心配すんなよ。菜月を死なせやしねえ。俺のそばにいろ」


本当に臭いセリフ。


言ってて恥ずかしくないのかな?


だけど……。


「うん」


その言葉はとても心地が良くて、私も手を握り返した。


付き合い始めた頃の、いつも笑ってた時を思い出す。


時間が経つにつれて、いるのが当たり前になって、好きだという気持ちが薄れていたけど、こうしていると、京介の気持ちは変わっていないとわかる。


なんだか悪いなと思いながら、踊り場を通り過ぎて二階へと上がった。


階段の隣にある自習室。


そこに一体どれだけの生徒が集まっているんだろうと思いながら、二人でそこに向かって歩く。


そして、自習室のドアの前に差し掛かった時、少しだけ見えた自習室の中の光景に、私は驚いた。















そこには、うちのクラスの生徒が約半数……お互いを警戒するような目を向けていたのだ。