それを確かめたいけど、今はそれは出来ない。


もしも今の私が鏡に映ってしまえば、間違いなくナニかに殺されてしまうから。


話している間に、真弥ちゃんの寝息が聞こえてきて、いよいよ一人に。


……起きていても仕方ないから寝よう。


そう思い、頭まで被ろうと布団を引っ張った。


すると……。











ギギ……。


ギギギギ……。












鼓膜を、頭の中を掻き乱すような不快な音。


どこから聞こえるか……部屋の中の至る所から聞こえているようで、布団から手を放して耳を塞ぐ。


よりによって、真弥ちゃんが寝た後にこんな音が聞こえるなんて。









ギギギ……。


ギギギ……。









耳を塞いでいても聞こえる音。


まるでガラスを引っ掻いているかのような……。


そう思った瞬間、私は壁に掛けられていた鏡に目を向けた。









ギギギ……。


ギギギ……。









音がするたび、裏返った鏡が細かく震える。


そうじゃないかと予想はしていたけど、本当にその鏡だとは。


ナニかが鏡の中で、鏡面を引っ掻いているのだ。