怖い……昨日からの事を考えると、強い気持ちで立ち向かおうなんてとても思えない。
私はそっと俯くと、右目を閉じて一歩踏み出した。
ジャージを持つ手が震える。
足が、ふわふわとした床を踏んでいるかのように安定しない。
気を抜けば、転んでしまいそうだ。
胸が苦しい……呼吸をするのもままならないまま、さらに一歩踏み出した時、足に感じるさらなる冷気。
なにこれ……。
いや、これは感じた事がある。
昨日の夜、脱衣所から出ようとした時に同じ物を。
ここに……ナニかがいる。
ゆっくりと移動すると、そこにいるであろうナニかの身体に包み込まれるような錯覚を覚える。
今までとは比較にならない冷気に襲われて……皮膚が凍り付きそう。
見なければ……大丈夫。
ギュッと両目を閉じ、さらに一歩踏み出して、冷気の塊を抜ける。
顔も抜けて、息苦しさもその中に置いてきたような解放感。
「ぷはっ……もう!私に付きまとわないでよ!他にもあんたを見た人はいるでしょ!」
私は、勘違いをしていたのかもしれない。
ナニかと目を合わせなければ大丈夫だと。
何も知らないのに、そうだと思い込んで。
私はそっと俯くと、右目を閉じて一歩踏み出した。
ジャージを持つ手が震える。
足が、ふわふわとした床を踏んでいるかのように安定しない。
気を抜けば、転んでしまいそうだ。
胸が苦しい……呼吸をするのもままならないまま、さらに一歩踏み出した時、足に感じるさらなる冷気。
なにこれ……。
いや、これは感じた事がある。
昨日の夜、脱衣所から出ようとした時に同じ物を。
ここに……ナニかがいる。
ゆっくりと移動すると、そこにいるであろうナニかの身体に包み込まれるような錯覚を覚える。
今までとは比較にならない冷気に襲われて……皮膚が凍り付きそう。
見なければ……大丈夫。
ギュッと両目を閉じ、さらに一歩踏み出して、冷気の塊を抜ける。
顔も抜けて、息苦しさもその中に置いてきたような解放感。
「ぷはっ……もう!私に付きまとわないでよ!他にもあんたを見た人はいるでしょ!」
私は、勘違いをしていたのかもしれない。
ナニかと目を合わせなければ大丈夫だと。
何も知らないのに、そうだと思い込んで。