その後、真弥ちゃんのお母さんが夕食を用意してくれた。


それを食べた後、私達は部屋の中で二人で寄り添ってテレビを見ていた。


夜になると昨日の事を思い出す。


ナニかが本格的に動き出し、どうにかして鏡を見させようとするのだ。


「……早く寝た方が良いよね。起きてたら、鏡を見ちゃうかもしれないしさ」


「うん。でも私さー、こんなに早くに寝た事ないよ?眠れるかな……」


時計を見ると、まだ21時半。


小学生の頃でももっと遅くまで起きていたのに、確かにこの時間は寝るには早過ぎるかな?


「お風呂もまだだしね。菜月ちゃん、先に入って来る?」


……お風呂かぁ。


出来るなら浴室には行きたくないんだけど、それじゃあダメだよね、やっぱり。


自分の家の布団を使うならともかく、人の家の布団を使わせてもらうんだから。


「じゃあ……シャワーだけ。ナニかが鏡に映らない事を祈るよ」


あまり乗り気じゃないけど、カバンの中から学校指定のジャージを取り出して、私は部屋を出た。


廊下に出た瞬間感じる、冷たい空気。


それが、階段の下の方へと流れているような……それを感じながら、私は一段下りた。