ガタガタと痙攣したように身体が震え始め、私と影宮さんは不思議に思って顔を見合わせた。


「雪村さんどうしたの？ハンカチを落としたわよ」


影宮さんがそう言って、身を屈めた時だった。










「え！？」












突然、咲良の首が裂け、血が噴き出して目の前の鏡を真っ赤に染めたのだ。


声も出せずに、首が切り裂かれながらも立ち尽くす事しか出来ない咲良。


「あ、あ……」


何が起こっているのか意味も分からず、私は膝が震えて立っていられずにその場に座り込んだ。


「な、何なの！？雪村さん！」


ハンカチを拾った影宮さんも、飛び散る血飛沫の中、その光景に何も出来ずに私の隣まで後退した。


咲良は苦しそうにバンバンと洗面台を叩くけど、どういうわけか身動きが取れないようで。


ついには……首が切り落とされ、咲良の身体と首が、糸が切れた人形のように倒れ込んだのだ。


ゴロリと転がり、恐怖に歪んだ苦悶の表情でこちらを見詰める咲良の顔。






「い、いやあああああああああああっ！！」







目の前の現実を拒絶するかのように私は叫んだ。


本当に何がどうなっているか分からない。


どうして……咲良の首が転がっているのか。