カチャリ……。
ゆっくりとドアノブが回され、ドアが開かれる。
昼間だと言うのに、真っ暗な部屋。
わずかな隙間から、ひんやりとした空気が廊下に出てきているようで、足元が寒く感じる。
この感覚……ナニかが中にいそうな気がするよ。
そんな事を考えていてもドアは開く。
真弥ちゃんの手が、ドアを押し開く。
人一人入れるくらいの隙間が開いて、部屋の電気のスイッチを押した真弥ちゃん。
パッと、真っ暗だった部屋に明かりが灯り、可愛らしい女の子の部屋が私の目に飛び込んで来た。
少し散らかってるけど、私の部屋と大差はない。
これくらい散らかってて普通だよね。
女の子の部屋なんてさ。
部屋の中を見回すと……テーブルの上に、例の鏡がこちらを向いて立てられていた。
視界の中に捉えただけでもわかる。
その中に、白い顔があって……こちらを見ているのが。
その目は多分、私達をジロジロと見詰めていて……カミソリで皮膚を撫でられているような鋭い感覚に包まれる。
たった数秒の事だけど、とてつもなく長い時間が流れたようで。
それに耐えきれなくなったのか、真弥ちゃんが駆け出して、鏡に手を伸ばした。