とりあえず、あれこれと色んな事を推測してみるけど、今の私達にはどうする事も出来ない。


まさか、先手を打って他の誰かを殺しに行くわけにも行かないし、鏡を見てもナニカは現れなかったのだから。


怪談の出どころを探すと言った影宮さんも、先生があの調子じゃ何も聞き出せないと感じたのか、帰り支度を始めている。


「あ、あれ?影宮さんもう帰るの?」


スマホの時計を見ると、まだ11時半。


まだ家に帰りたくない私にとって、人がいなくなるのは寂しく思えた。


「まだ帰らないけど、少し調べたい事があるの。桐山さん達は帰ってて良いわよ。何かわかったらメッセージ送るから」


「え?何を調べるの?それなら私も手伝……」


「結構よ。一人の方が動きやすい事だってあるから」


そう言うと、影宮さんは不気味な笑みを浮かべて教室を出て行った。


昨日から話すようになって、少しは仲良くなれたかなと思ったのに、影宮さんはそう思ってないのかな?


「なんかさー、美奈ちゃんって変わってるよね?こんな時に一人で行動するなんてさ。私なら誰かといたいなー」


「うん、まあそうだね。私もまだ家には帰りたくないもん……」