赤い血のカーテンの奥に赤い字で。


あれは「8」のような気がする。


「数字が書かれていたわ。人が一人死んで『8』になったのか、それとも残り8日という意味なのか、まだわからないわね」


「うん……でも、先生がそれを知っていたら、話を聞けばわかるはずだよね。過去に同じ事が起こっていたとしたら」


そんな事を話しながら差し掛かった、私達の教室の前。


教室内には警察の人達がいて、現場検証というやつが行われている真っ最中。


普通なら、学校始まって以来の大事件……と、騒がれてもおかしくないはずなのに。


廊下を歩いていると、隣の教室から刑事さんと原田先生が出て来て、げっそりした表情ではあるものの、落ち着いているように見えた。


「お、ちょうど良かった。先生、話があるんだけどさ」


刑事さんに事情聴取を受けていたであろう直後だと言うのに、京介はそんな事はお構いなしに尋ねた。


「あぁ……お前達、まだ帰ってなかったのか。先生はちょっと職員室に戻りたいんだけどな……」


「こっちはこいつらの命が懸かってんだよ。前にもこんな事があったのか?他にも色々聞きたいんだけど」


京介が言ったその言葉に、原田先生は眉間にシワを寄せて、大きな溜め息を吐いた。