「んー……まあ、考えてても仕方ねえだろ。直接聞けば解決するんじゃねえの?」


そう言って立ち上がった京介。


まあそうだよね。


過去の話を知らない私達が、何を話していても答えなんて出ない。


どれもこれも、推測でしかないのだから。


「教えてくれるかどうかは別として、直接聞くというのは良いわね。先生の反応が楽しみよ」


そしてまた、フフフと不気味な笑みを浮かべる影宮さん。


まだ何か考えている事があるのかな。


昨日話すようになったばかりで、影宮さんの性格がわかっているかと言われたら、殆どわからない。


不気味だけど、私とは違う物の考え方をすると言う事くらいしか。


こんな事でもなければ、話す事もなかったかもしれないな。


京介が教室を出て、その後に影宮さん、私と続いて出る。


とりあえず京介を除く私達は、鏡のない階段を通らなければならない。


こんな時、全部の鏡がなかったらと思うけど……そんなに都合が良い事はないかな。


「ところで桐山さん。伊達君が私達に向けた鏡を見たわよね?」


先を歩いていた影宮さんが、速度を落として私の隣に並ぶ。


「う、うん……ナニかがいるかと思ったけどいなかったね。それに……」






あの鏡には、わかりにくかったけど、数字が書かれていたような気がする。