「どういう意味って……ある必要がないとか?それか割れたから撤去したとか?」


あったものがなくなるなんて、それくらいしか思い付かないけど。


私の言葉に、真弥ちゃんも京介も頷く。


だけど、樹森君だけは影宮さんの真意に気付いたようで。


「……もしかして、鏡に映らずに移動を出来るようにする為とか?」


「私はそう思ってるわ。そして、なぜそんな事をしなければならなかったのか」


それはわかる。


ナニかに気付かれたとしても、殺されなくて済むように……って、あれ?










「桐山さんも気付いたようね。だったら、鏡を取り外したのは誰か……そんな事が出来るのは、先生達くらいじゃないかしら?」








確かに先生達が撤去したのなら、誰も文句は言えないし、鏡が戻される事もないだろうけど。


「だったら何かよ?先生はこうなる事がわかってたってのか?」


「……あるいは、過去に同じ事が起こって、その時に外したのかもしれないわね」


もしも、影宮さんが言うように、過去に同じ事があったとしたら……どうして鏡が全部撤去されなかったのだろう。


生徒が教室に鏡を置いていても、注意をされた事なんてないし。