「まあ、半分正解半分不正解ね。幽霊なんて探したら、私まで殺されてしまうもの。探すのは幽霊じゃなくて、怪談の出どころかしら?」


何を言い出すかと思ったら、怪談の出どころだなんて。


確かに、この学校の三つの怪談には、犠牲になった生徒がいるという話を聞いた事がある。


だからこそ、鏡の中にナニかが映っても気付いてはならない。


気付いた事に気付かれてはならないという話まであるのだ。


「怪談の出どころなんてどうやって調べるつもりだい?幽霊に会って、話でも聞くつもり?」


「そ、そうだよー。怪談は知ってるけど、昨日までそれが本当だって思わなかったんだよ?美奈ちゃん、どうやって調べるつもりなの?」


名前を呼ばれ慣れてないせいか、影宮さんが「美奈ちゃん」の部分で過剰に反応する。


「皆、不思議だと感じない?この学校の階段の踊り場、鏡がある場所とない場所があるの」


「ん?そんなの別におかしくはねえだろ?元からなかっただけじゃねえの?」


私も京介と同意見。


特に気にした事がなかったから、深く考えた事もなかったけど。


「私も気にしなかったけど……鏡があったと思われる跡を見付けたわ。それは、どういう事かしらね?」