しばらくして、我に返った先生によって伊達君は取り押さえられた。


昨日に引き続き警察が来て、その時教室にいた生徒全員が事情聴取を受ける事に。


けど、幽霊が出たなんて言っても信じてくれないだろうな。


いつも同じ鏡の中にいるならともかく、そこにいない事があるのだから。


そして、流石に三日連続で、そのうち二日は学校内で生徒が死亡したという事態を重く見た学校側は暫くの間、臨時休校にすると連絡があった。


生徒の登校は自由。


ただし、警察の捜査の邪魔にならないよう、図書室や自習室を使用する事を条件に。


それを聞いた殆どの生徒が喜び、家に帰って行ったけど……昨日、鏡の中のナニかに襲われた私達は帰る事なく、自習室に集まっていた。


「……まさかの事態ね。遅かれ早かれ、こうなるだろうとは思っていたけど、よりによって伊達君がね。真面目なやつほど怖いって典型かしらね」


「あれはもう、そんなレベルじゃなくない!?腸を引っ張り出して……うっ、思い出したらまた気持ち悪く……」


真弥ちゃんが手を口に当てて、顔をしかめながら声を上げた。


樹森君なんて、嘔吐し過ぎて顔が真っ青になっている。