影宮さんが話してくれた内容は、驚くほど私と似ていた。


押し入れの中で寝ていた影宮さんが、妙な足音に気付いてその音の後を追うと、ガラス片が目に突き刺さったお母さんに襲われた。


そして逃げようとした時に、廊下に姿見鏡が現れて、そこに赤い字の数字が現れたらしい。


「その数字が、『10』から数が減って行って、『1』が消えたら鏡が割れたの」


「……偶然。にしては、夢が似すぎているわね。何かのメッセージかしら」


たとえそうだとしても、私と影宮さんだけの情報じゃ、結論を出すには早いよね。


「咲良が『9』なら、片桐さんは何だったのかな？ナニかに殺されたのなら……あるはずだよね、数字」


聞かなくても、きっと数字は「10」だと想像出来る。


だとしたら、「1」の次はどうなるのか……それが全く予想出来ない。


「そうね……あら？桐山さん、何か話したそうにしているみたいよ？彼女」


首を傾げて考えているようだった影宮さんが、トイレの方を指差してクスリと笑った。


その指が指し示す方を見てみると……。













「菜月、今、数字の話をしてたよね？それって……夢の話じゃない？」












クラスメイトの山本真弥（ﾔﾏﾓﾄﾏﾔ）。


その言葉から、彼女もまた、ナニかを見てしまったのだと推測出来た。