「7」、「6」、「5」、「4」、「3」、「2」、「1」……。
そして、「1」が消えた直後、数字は「0」にはならず、鏡が割れて、階段の上に散らばったのだ。
「な、なに……」
私にはその意味が全く理解出来ずにいると……。
「……私を見て」
突然右側から声が聞こえ、そちらを向くと……そこにいたのは、鏡の中のナニか。
さらに、何かに髪の毛を掴まれてぶら下がる咲良の首だった。
「菜月、私を一人にしないで」
咲良の首がそう喋り、ニタリと満面の笑みを浮かべて、宙を跳ねる。
まるで首が一つの生き物のように。
「あ、あ……ああ……」
何がどうなっているのか……この状況が全く飲み込めずに、尻餅を突くように廊下に倒れた私に、ナニかが迫る。
白い顔で笑みを浮かべて。
左手には、暴れる咲良の首を、右手にはガラス片を握り締めて。
その白い顔が、私を見定めるかのようにゆっくりと近付いて来て……。
「いらない」
そう言い、ガラス片を振り上げて、私の頭部に突き刺したのだ。