鏡の中のナニか。


学校の怪談の一つが現実の物となり、私達を恐怖のどん底に叩き落とした事件。


ナニか……智奈美が30年前に美術準備室で鏡に突っ込んで死に、鏡の中で幽霊として原田先生をずっと待っていた。


だけど、本当にあれは幽霊だったのかな?


咲良、影宮さん、真弥ちゃんなどの、お通夜やお葬式に出るので忙しく、暫くは考える暇もなかったけど、あれから一週間も経って少し落ち着いたら、考える時間が作れるようになった。


良く考えたら、美術準備室には、他の鏡が取り外される前から、あの鏡はあったんだよね。


つまり……智奈美が死ぬ前から、あの鏡には何か特別な力があったのかもしれない。


その力と智奈美の想いが相まって、ナニかという幽霊を生み出したんじゃないかな。


色々考えるけど、もう鏡はないし、京介があれを破壊した時に、枠も壊れたから詳しい事は何もわからない。


智奈美もまた、原田先生のようにあの鏡に囚われただけなのしれないと、私は思うようになっていた。


そして、さらに一週間が経った。


クラスメイト達の半分は、精神的にやられてしまい、まだ登校する事が出来ないようだった。