先生の言葉に、影宮さんの身体が震える。


怒りがそうさせているのか、原田先生を睨み付けて、グッと拳を握り締めていた。


「生徒を助けもせずに……人が死んだのに、生徒が登校出来るように仕組んだのも先生ね。死ぬ人がいなかったら、先生が死ぬかもしれないから。そうでしょ!?」


影宮さんがそう言った時、私は先生の言葉を思い出した。


鏡を探すという事は、鏡を見るという事で、ナニかに殺される可能性が上がる。


先生は、それを懸念していたわけではなく、そうなる事を望んでいたのか。


「伊達が上手い具合に恐怖をばら撒いてくれたから、今回は早く終わったな。困るだろう?万が一、あの時消えたあいつの死体が、今になって現れでもしたら。幽霊の頼み事なんて、聞かない方が良いんだよ。必要なだけ死ねば、またこの騒動も終わる。原因がわからないままね」


「死体が現れるかもなんて可能性の為に、真弥ちゃんは殺されたの!?真弥ちゃんだけじゃない!他の生徒も!そんな事の為に死んだわけじゃないわ!」


胸ポケットから鏡を取り出して、怒りに任せてそれを原田先生に向ける影宮さん。


だけど……。













先生が後ろに隠し持っていたナイフが……影宮さんの腹部に突き刺さった。