私はどうすればいいの!?


背後に何かがいるとなったら、怖くてそっちを向けない。


鏡から顔を背ける事も、振り返る事も出来ない。


だけど……このまま動きを止めていれば、私がナニかに気付いている事に気付かれるかもしれないし。

















怖い。


怖いけど、早くここから出るしかない。


意を決して、背後のドアノブに手を伸ばす。


もしも背後にいるなら、丁度そこを手が通過しようとしている……。


そう思った瞬間、手にヒヤリとした感覚が纏わり付いた。


腕を掴まれているような……そんなねっとりとした感覚。


ひっ!と、心の中で悲鳴を上げたけど、咲良みたいに殺されるわけでもなく……私の手はドアノブに到達して、それを回す。


ドアが開くと同時に、脱衣所から逃げるように外に出た。


手が感じた、ヒヤリとする感覚を全身で感じて。


廊下に出た私は、慌ててドアを閉めて二階の部屋へと走った。








何なの……何なのよこれ!








気付いてるとか気付いていないとか、そんなレベルじゃない!


鏡を見てしまったら、間違いなくナニかも見てしまうじゃない!


なんでこんな事が起こったのか、わけがわからないまま私は階段を上がり、部屋に飛び込んだ。