「うぅ……真弥ちゃん……」


ポロリと鏡を床に落として、その場に座り込んだ影宮さん。


最初は嫌いだなんて言ってたのに、本当は友達が出来て嬉しかったのだろう。


真弥ちゃんが殺されて、須藤君が死んで、言いようのない虚しさを感じる。


咲良や樹森君が死んでも、何か現実味がなくて、まだ、死んだなんて思えない。


それは、真弥ちゃんに対しても同じ事だった。


頭部を刺されて死んだ。


それは、現実に起こっているとはとても思えなくて。


「影宮さん……行こう。もう皆鏡を探しに行っちゃったし、早くしないと……」


「真弥ちゃんが殺されたのに……!」


悲しんでいないと思われたのか、睨み付けるような視線を私に向けた。


私だって悲しいわけじゃないよ。


だけど、後一人殺される前に、欠けた鏡を見付けなければならないんだよ。


そうしなければ……真弥ちゃんは無駄に死んだ事になってしまうじゃない。


「私、美術準備室に行く。昨日の夢に出た鏡は……あの鏡だったよね?」


実感は湧かないのに、ポッカリと心に穴が空いたような感覚に、押し出されるようにして涙が零れた。