「朝に理沙を迎えに行ったらよ、親に死んだって言われてよ!!真っ先にテメエの顔が思い浮かんだぜ!!理沙に聞いてたけどよ、本当にお前は最低なやつだよな!!」


怒りと悲しみ……それが涙となって須藤君の頬を伝う。


「わ、私じゃない!!何を言われたか知らないけど、私は須藤君が思ってるような事、何もしてないよ!」


真弥ちゃんの目からも涙があふれる。


そうだよね……。


好きな人に避けられて、言いがかりで嫌われて、そして人を殺したなんて疑われたら……涙くらい出るよね。


だけど、そんな涙を須藤君はどう思ったのだろう。


少なくとも私には届いた。


だけど……。

















「……理沙が言ってた通りだぜ。都合が悪くなったら嘘泣きしやがってよ!!理沙の苦しみをお前も味わえよ!!」














須藤君は真弥ちゃんを強引に階段の方に歩かせて……投げ捨てるかのように、最上段から落としたのだ。


ゴロゴロと音を立て、階段を転がり落ちる真弥ちゃん。


踊り場に打ち付けられるような音がして、慌てて駆け寄った私が見たものは……。












痛みに震える、横になった真弥ちゃんの視線の先にあった鏡。


その中にいる、ガラス片を構えたナニかの姿だった。