私達の顔を確認するように、小さく目を横に動かして……一番左にいる真弥ちゃんに目を向けた時、その表情がさらに険しくなった。


「す、須藤く……」


「山本コラァァッ!!テメエ、理沙を殺して満足か!ああっ!?」


真弥ちゃんを見るなり、階段を駆け上がって、近付いたかと思うと制服の胸ぐらを掴んで怒鳴り付けた。


「な、何!?わ、私は殺してなんてない!」


その剣幕に圧され、顔を背けて反論するけれど……須藤君は止まらない。


「嘘つくんじゃねえよ!!テメエが理沙を恨んでた事くらいわかってんだよ!!昨日も俺達の後をつけやがってよ!ふざけんな!!」


「須藤君!真弥ちゃんはそんな事をするような子じゃないよ!」


私が慌てて止めに入るけど、須藤君は聞く耳を持たないと言った様子。


「桐山は黙ってろ!!」


そう言われ、ドンッと突き飛ばされた私は、足がもつれて床に尻餅をついた。


「……ちょっと、須藤君。やって良い事と悪い事があるわよ」


「うるせえ!陰険女!じゃあ何かよ!こいつが理沙を殺したのは良い事だとでも言うのかよ!!」


この騒ぎで、自習室にいた生徒達が廊下に出て来た。