あの夢は……何だったんだろう。


私が目を覚ますと同時に、影宮さんも目を覚まし、驚いた様子で私を見る。


「桐山さん……鏡の夢を見たのね?」


うん。と、小さく呟き、私は足をベッドから下ろした。


「廊下に鏡が並んでて、今まで殺された人達が映ってた……でも、『3』の所に皆川さんがいたよ?数字は……『4』のはずだよね?」


あれから誰も死んではいない。


そうであってほしいという希望でしかないのだろうけど、ただでさえ限られた時間の中で、これ以上誰にも死んで欲しくはなかった。


「こればかりはわからないわね。鏡に皆川さんが映ってたって事は、きっと殺されたんでしょうね。それよりも……私と桐山さんが同じ夢を見たと言う事は、他の皆も見たと考えるべきね。あの白い部屋にいた全員が」


……そうなるのか。


欠けた鏡を探せ、それが出来なければ……夢みたいに、全員死んでしまうなんて……ないとは言い切れない。


「でもさ、あんな夢を見ちゃったら、私達だけじゃなくて皆も頑張って探してくれるかもね?それだと助かるんだけど」


残り時間は少ない……って言ってたし、もしかすると30年前もこんな夢を見て、皆必死になって探していたのかもしれない。